海の京都について

「海の京都」について

「海の京都」は、京都府北部7市町(=福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)のエリアを指し、日本海と丹波丹後の山々に囲まれた地域です。

海・里・山、水源の里・城下町・港町・里山・山村・都市など多様なエリアが広がり、地域ごとに異なる文化を築きながらも、ヒトやモノが行き交い大きな一つの生活圏を形成してきました。

近年では、「天橋立」や「伊根の舟屋」など有名な観光スポットだけでなく、国内外から多くの人がこの地域の「美味しい食」、「美しい景観」、「多様な歴史文化」を求めて観光に訪れる地域となっています。

海の京都の私たちは、観光地と生活の場がひとつに溶け合う場所で暮らしています。断崖絶壁の風景には米の世話をする農家。日本を代表する名所のそばには、山の恩恵をふんだんに受けたふくよかな海と、船を出す漁師。自然の地形と、食の営みがひとつになった光景には、ここで暮らす私たちでさえ心揺さぶられる瞬間があります。

私たちが住むこの海の京都では5000年以上前から先人が定住し、自然から素材をいただく有り難みを味わってきました。その頃の土器にある美しいデザインから、先人の心とその生活がいかに豊かであったかが伺えます。海の京都では長きにわたって、よい水と食の素材に恵まれてきました。私たちは今も、その恵みに感謝しています。

また、豊かな自然と水資源、そして変化に富む気候は、この地に適した伝統工芸や伝統産業も育んできました。「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」として日本遺産にも登録される「丹後ちりめん」をはじめ、大正時代には当時の政府から日本一強い紙として認められた「黒谷和紙」、宮津に伝わる「藤織り」の技術など、伝統的なものづくりが数多く伝わり、現在でも高品質な品々が生み出されています。

暮らすこと、食べること、創り出すこと、そして旅すること・・・これらが境界なく混ざり合う日本のテロワールを、「海の京都市場 ~Kyoto by the market~」の数々の特産品からお届けします。

素材を大胆に。味覚は繊細に。

松葉ガニ、牡蠣やトリ貝、ブリ・ノドグロ・イカ・タイなどの魚介類、丹後コシヒカリなどの米、フルーツ、野菜などの農産物、牛や鶏などの畜産物やジビエ。そして良い水、良い酒米からできる日本酒。海の京都の素材は大量には採れないかわりに、種類が豊富で質が良いことが、私たちの誇りです。

魚や米の満足な旨み。フルーツや野菜の心地よい甘み。素材の良さを大胆に活かしながらも、繊細さを欠かない味覚と感性はきっと、この土地の自然が私たちに与えてくれた恩恵です。自然から学び、自然を味わう。それが海の京都のテロワールにつながります。

水の恵みが、心を整える。

山から流れる水の通い道に、海の京都の町があります。私たちはこの地域がどんな場所なのかを、一言で言い表せない複雑さを感じてきました。なぜなら、ここには山・川・海、雨と雪、虹の出る清々しい晴れ間など、すべての自然が詰まっているからです。

山から海へ流れ、空から落ちる「水」の恵みが米や野菜、動物、そして魚を育てる。水でつながる全自然は、美味しい食を与えてくれることはもちろん、私たちの感性にも響き、心を整えてくれます。

食をもたらす地形の奇跡

海の京都は山・川・海の距離が短く、全自然が密集した場所。山で栄養を多く含んだ水が町じゅうを潤し、海に流れて豊かな漁場をつくります。

山が近く、きれいなまま流れる水で、米や野菜、梨・葡萄・栗などの果物が育ちます。漁場でとれる素材も、沿岸ではアワビやウニ、暖かな海流の沖合ではブリやイカ、低温で栄養のある海底ではカニやエビなど、種類豊富。変化に富んだ地形は、天が与えてくれた奇跡です。先人たちが5000年以上定住するこの場所では、自然を感じ、素材を活かして食べる習慣と技術があります。

日本の酒造り、はじまりの場所。

日本の酒づくりは、この海の京都から始まりました。元伊勢籠神社には約600年前に記録された文献があり、日本の酒がここから始まり、伊勢神宮に伝えられたことが記されています。日本において酒は、神に捧げるもの。それはつまり、天の恵みに感謝する姿勢です。舌で感じる以上の、心の味わいを、海の京都の日本酒で感じてください。